PANZER (パンツァー) 2011年 07月号 [雑誌]

先月号では今日のロシアでは装備の旧式化と新規開発の遅れで厳しい状況に直面していることが報じられていたが、そのなかでも例外的に開発が続けられ国外にもかなり輸出されているBMP-3について詳説されている。多数の写真と図面とあわせて、ソ連・ロシア戦車研究の第一人者と評されている古是三春の手になる論考がいつも通り鋭い。You-Tubeでロシア企業のプロモーション映像と採用しているアラブ首長国連邦UAEの軍事パレードを見るとこの車両の能力と全体像がより一層わかる。ドイツ対空戦車については、先進的な技術が結局は実に成らなかった例のひとつ。ジェット機や後退翼のケースと同様に、ドイツという国は科学技術に貢献しても運命の女神は微笑まない。準特集記事は、東日本大震災救援に投入された自衛隊の直面するあまりマスコミには取り上げられない問題点（防塵マスクを自費で購入とか蓄積するストレスとか）、一時もてはやされた戦車砲の長砲身化、どういうわけか日本ではうまく進まないAFVの共通化。写真ページでは、表紙にもあるが今年1月のエジプト革命の際のエジプト軍機甲部隊が面白い。他にも被災地の自衛隊、ドイツ最新戦闘兵車プーマ、アフガニスタン派遣の各国戦闘車両など。