COLD HEART in TOKYO (ビーボーイノベルズ)

攻は、病院に行けば病名がつくと思う。自己愛、発達、自閉症、境界例・・・そういう病名を何度も思い出しました。木原さんの作品にはそれを想像させる人が多く出ます。自閉症の子の話もありました。一途といえば聞こえがいいけど、脳の回路が他とは違う感じ。それでも今までのキャラはまだなんとかセーフでした。今回は完全アウトです。とにかく攻は話が通じない。人の話を聞かない。わめきたいときにわめき、時には殺意をあらわにし、実際それを行動に移し、人の家に上がり込み、家の主が嫌がっても出て行かない。その後テンション高く浮かれる。正直不気味です。そういえば騒ぎ立てられて、迷惑こうむった方が大声を止めさせたりして「勘弁してくれ」となるのも、この作家は多い気がします。そういうのが得意なんでしょう。NYの方も読んだうえで感想書いてますが、この巻だけでも攻は大嫌いです。NYの惨劇は当然だと思う。話を聞かない人間、宇宙人みたいな人間、自分のやりたいことだけやる人間だと最初から分かってたんだから。寝てる間に犯されて喜ぶ人っているのかな・・・。「もうやめろよぅ」とかで許せる話かな。こんな人間関わるべきじゃない。たとえ仕事相手でも。一度でも許したらいけないんだな、と強く思いました。最初から徹底的に拒むしかない。刃物出されても、近所迷惑なほど暴れられても。ひどいことをしておいて、相手が場をとりなすために謝ったら、「俺だから許してあげるんだからね」と上から目線。「俺は許してあげたのに」と恩着せがましく言い続ける。似た経験がある人は、確実にトラウマ引っ張り出されます。それでも４なのは、ここまで気持ちの悪い人物を見事に書き切ってるから。この攻には反吐が出るけど、そう思わせるってことは、やはり相当上手いんだと思う。でも５はつけられません。心情的にどうしても。面白いけど、読後感は「闇金ウシジマくん」と変わりませんでした。結構内臓気持ち悪くなります。私はtokyoのほだされた終わりかたの方が、NYのレイプ事件よりゾッとしました。